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2006'01.07.Sat
暁は終末を染める
金色のコルダに挑戦
火原と日野さん。
書いていて恥ずかしくなった(笑)わたしは本来火原ではなく、柚木様とか志水くんやらがすきなんだけれど、LaLaを読んだらむしょーに、火原ブームです。ネオロマは男の趣味が丸出しになってしまうので、恐ろしいとおもいます。

しかし久々の更新です。別館では多少活動していましたが・・・管理能力にかける
 一年後輩の日野香穂子が屋上で練習しているのを聞き付け、そこにやって来たまでは良かったのだが、夕陽の赤い輝きに彩られる彼女にどう話しかければ良いのか分からなくなってしまったのだった。弓を優雅に構える後輩の横顔が、妙に美しく思えて、火原はタイミングを逃してしまった。
 いつもどおりでいいのだと、自分に言い聞かせるがうまくいかない。しかし悩むことに慣れない彼は思い切って彼女の名を呼んだ。放課後の空に彼のライトテナーはよく響いた。



「日野ちゃんっ」
「あれ、火原先輩どうしたんですか?顔赤いですよ」



階段走って登ったから、と火原は照れを隠すようになんとか返した。香穂子はくすりと笑みをもらし、火原の元へ歩を寄せる。誰もいない屋上は、いままでそこを支配していた音楽を失い、とても静かだ。



「先輩も練習ですか?」
「ううん、日野ちゃんの音が聞こえたから、なんだか行かなくちゃって思っちゃって…」
「わたしじゃなかったらどうするんですか、火原先輩らしいですけど」



吹き出して笑う香穂子の表情は、逆行で彼の位置からは見えなかったが、それが彼の好きな彼女の笑顔であることはわかった。



「間違えないよ。日野ちゃんの音はよく分かるんだ」


 火原は本心のままをしゃべっているのだが、それがかえって香穂子には照れくさく感じさせた。
 飾らない言葉は何より直接心に響く。彼女にとってすれば、彼の言葉は愛の告白以外には聞こえなかった。彼はそういう人だとわかってはいても、無意識に頬がほてるのはとめられない。火原は押し黙ってしまった彼女を覗き込むように膝を屈めた。



「あれ、日野ちゃんも顔赤いよ?夕陽のせいかな」
「火原先輩が、あんなこと言うから…照れちゃったじゃないですか。そういうことは好きな女の子にしかいっちゃいけないんですよ」



 香穂子はくるりと彼に背中を向け、もう一度ヴァイオリンを構えた。
 火原はその姿にイメージの中に在った黄昏の女神を重ねていた。繊細に弦をなぞる指先。細い肩のシルエットは眩しい。ああ、日野ちゃんは女の子なんだ。彼は知っていたはずの事実を悟り、彼女の奏でる音の波に胸を馳せた。



「言わないよ!俺は日野ちゃんが好きだもん。好きなこの音だから分かるんだよ」



 火原は言って後悔した。香穂子が彼を振り向きもせず、黙々と弓を弾き続けているからだ。
 困らせてしまったかなと、彼は哀しく眉根を寄せる。しばらく、彼にとって気まずい時間が流れていたが、彼女の音楽の様子がおかしいことに気付いた。妙な場所で転調を繰り返している。最初の頃とは比べ物にならないほど上達した彼女は、もうそんなミスはしないはずなのに。



「日野ちゃん?」



 火原が彼女を覗き込むと、白い頬は赤く染まり、その瞳は涙に潤んでいた。火原は香穂子が泣いていることに驚いて、あたふたと両手を上に上げながら慌ててみせた。



「だ、大丈夫?そうだよね、いきなり嫌だったよね…ゴメンネ…」


 香穂子は彼の言葉にはっと顔をあげた。心配そうに、そして申し訳なさそうにこちらを見る火原に首を振った。



「うれしいんです、うれしくて、言葉がでなくって、なんて言えばいいのか分からなくって、あの、わたしの好きな人は火原先輩です」



 香穂子は火原の胸に飛び込み、弓を持った手で彼の背を抱いた。心臓の鼓動が聞こえる。これは自分のものだろうか。



「どうしよう…俺、すっげぇうれしいっ」



 火原は弾かれたように彼女を抱き締めた。薄い体を壊さないように優しく、けれど経験不足で加減がわからないようだった。陸上で鍛えた彼の体は服越しでもしなやかな筋肉がはっきりとわかり、香穂子はそれにまた顔を赤めた。
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10 :22/ 金色のコルダゲームOLD
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