小説置き場。偏見と偏愛をくどくどかいております。
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2005'10.24.Mon
君に捧ぐ花
ガンダムSEEDのアスランとラクスのおはなし。
退廃的なラクス
君ニ捧グ花

あなたは決してわたしに悪を見せようとしない。あなたのその綺麗な、少し筋張った指は、生臭い悪の色に染まりきっているというのに。白く無垢な薔薇の花束を手渡され、当たり前のようにその匂いを吸い込むと、あまりの馨しさについ顔をしかめてしまいそうになったが、なんとか笑顔をたもった。思いを気付かれることはないだろう。この白薔薇と同じく無垢なわたしの婚約者は、わたしの笑みを疑うことをしらないから。

「ホワイトシンフォニィのお話をされていたので、・・・あそこの薔薇には劣ってしまうでしょうが、思い出していただければと。」

あそこはとても美しい箱庭だった。人工物と人目でわかる、完璧な形、色をした薔薇たちが咲き乱れていた。照明が淡く照らすと、それらは青白く輝いて、ブルームーンの色彩を魅せる。青い薔薇。人間のエゴの集合体は、とても神々しく、同時に子供だましの永遠に思えてならなかった。

「ありがとう。とてもうれしいですわ。まだ、お庭に植えれば育ってくださるかしら、」
「ええ、きっと・・・ですが、苗ではありませんから、少し、難しいかもしれません。」

丁寧に、一言ひとこと言葉を選んでは紡がれていく、少年の甘く低い言葉は、わたしの心に爪を立てるには十分すぎるものだった。世界を知らず、戦場を生きる少年。彼に兵士となるを選ばせた原因はわたしにもあるというのに。

いらだちを隠すように花束の包みを丁寧に開き、数輪かを手に取った。葉緑体までも調整された、美しい緑、自然の色、コーディネイター。

「お花を、植えにまいりましょう。ご一緒していただけますか?」

小さなシャベルと如雨露を抱え、庭園へ歩き出した。人の手で作り出されたこの儚い美しさは、自ら根を張って生きてゆく力強さをもっているのだろうか。ふと枯れてしまったらどうしようか考える。

アスランはきっと次は薔薇の苗を贈ってくれるだろう。
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09 :47/ OLD
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